■ 全校道徳(p4c) (記事更新11月30日)
赤泊小学校の「いじめ見逃しゼロ」の取組の一環として,11月29日の2時間目に全校道徳でp4cをしました。
題材は『はしの うえの おおかみ』です。
この話をご存じの方もいらっしゃることと思います。

あらすじはこうです。
丸木橋をウサギが渡っていると,途中でオオカミが通せんぼして追い返します。次に渡ってくる動物たちをもオオカミは通そうとしません。
あるとき,オオカミは橋の上でクマと鉢合わせ。
オオカミがクマに道を譲るため,引き返そうとしますが,クマはオオカミを抱き上げて自分の後ろに置いてやります。
その後,オオカミは他の動物たちにもクマがやってくれたのと同じことをしてあげます。

この『はしの うえの おおかみ』は実は1年生の道徳の教材なのです。
それを縦割班ごとにp4cで深めます。
 

どのような対話になったのでしょうか。
子どもたちの発言を各班の担当教員が記録したメモを基にお伝えします。
●最初の問いは「オオカミはどんな気持ちで動物たちを追い返していたのでしょう?」です。
「オオカミはわざと通せんぼしているよね」
「オオカミは自分が偉いんだと思っている」
「橋を独り占めしたかった。この橋は自分の橋だ!みたいに」
「独り占めして,いい気持ちになりたかったんじゃない?」
「威張りたかったんだよ」
「他の動物たちより,自分の方が早く渡りたかった」
「タヌキとかウサギとかのことを嫌いだったから通せんぼした。体は小さいし,弱いし」
「他の動物たちにかまってほしかったのかも。好きだからいじわるしたのかな?」
「相手を怖がらせるのが楽しいからやった。ストレス発散なんだと思う」
「オオカミにはプライドがあって,自分が一番偉いと思っている」
「体が大きいから一番偉い」
「みんなが怖がって逃げると思っている」
「ライオンが相手なら,こんなことしないよ,多分。自分より強いものを怖がってるみたい」
「オオカミの住み家が橋の向こうにあって,自分から戻りたくなかった」
「そうかも。あるいは,ウサギたちが橋を渡った先には危険なことがあるから,親切な気持ちだったのかも」
「危険じゃなくておいしい果物とかがあって,とられたくなかったのかも」
「見られたくないものを隠しているんじゃないかな」
   

●次の問いは「ウサギさんを通してあげたときのオオカミの気持ちは?」です。
「ウサギを通してあげられて嬉しかったと思う」
「クマさんに優しくしてもらえたから,ウサギさんに優しくできたんだよ」
「初めて親切にして,気持ちがよかったと思う」
「クマさんを見習って,気持ちがすっきりした」
「うん,とても気持ちよくなった」
「これを続けたい」
「他の動物たちにもやってあげよう!」
「今度はクマさんを持ち上げて,通してあげたい」
「前のオオカミさんは自分のことだけしか考えていなかったけれど,クマさんに出会った後は,自分も優しくしてあげようって思った」
「自分もクマさんみたいにかっこよくなりたい」
「いい人になりたい」
「あのときのクマさんはリーダーみたいだった。自分も人に優しくして,あんな風になりたいな」
「恩返しをしたことになったかもね」
「自分にもできる!!弱い人にも,小さい人にも!」
「クマさんがしてくれたことが,オオカミさんの心に残ったんだよ」
「オオカミさんは通してもらって嬉しかったけれど,クマさんも通してあげて嬉しかった。両方嬉しかったんだね」
「オオカミさんはいじわるだったけれど,クマさんに通してもらって,優しくなった」
   

ある班では,最初の問いで「動物たちが橋を渡ると危険が待っているから,オオカミさんは動物たちのことを思って通せんぼした」と考えた子がいました。
性善説に立つ子なのでしょうね。
その子は次の問いでもやっぱりぶれませんでした。
曰く,「オオカミさんは人を大切にするいいやり方をクマさんに教えてもらうことができたから,自分の気持ちに素直に行動する方法が分かった。本当の自分になれたんだと思う」
しびれますねー!

また対話の終盤,別の班ではある1年生がこうつぶやいたとか。
「やさしさっていいなあ」。
この話を聞いたとき,私目頭が熱くなりました。
もう、涙ちょちょ切れますよ!
なんて素敵な子どもたち!
なんて素敵な対話!p4c!

1年生の教材ではありますが、全校で話し合うと、これほど深いところにまで行き着くのですね。
   

この全校道徳が終わった後,教員たちは口々に「○○さんは,こんなすごいこと言ってたんですよ」など,子どもの発言を紹介し合っていました,とても嬉しそうに。
そりゃあ,そうでしょう!こんなp4cを見ることができたのですから。
私,赤泊小学校の校長でいられて,とても幸せです。
  

■ 全校VS活動 (記事更新11月30日)
数日前に打ち合わせした全校VS活動。
11月29日,当日を迎えることになりました。
普段なかなか手が届かないところを重点的に清掃する班が多かったようです。
活動終了後には,班ごとに反省会をして次の活動につなげます。
「気付き,考え,実行する」というJRCの態度目標。
みんな達成できましたね。
            

■ 1・2年 正しい姿勢で頭声的発声 (11月28日)
3時間目,1・2年生が音楽室で音楽の勉強をしていました。
まずは今月の歌の歌唱練習。
さらにクリスマスの曲も歌っちゃいます。
そして、ご覧ください,この素晴らしい姿勢を。
指導者が普段から「いい姿勢で歌うと,高い音も出せるのです」と指導しているからこそです。
裏声ではなく,きちんとした頭声的発声で歌う子どもたち。
低学年のうちからこのようにしっかりとした学習を重ねているので中学年以降の素晴らしい合唱につながるのですね。
まさにローマは一日にしてならず!
合唱の後はみんなそろって鍵盤ハーモニカの練習。
自由練習になると,子どもたちののびのびと練習する姿から,音楽を楽しんでいるのだなあと感じます。
気分はミュージシャン!
      

■ 5・6年 循環コードでアドリブ (11月28日)
6時間目,今度は5・6年生が音楽授業。
音楽主任による特別授業です!
テーマは「循環コードをもとにアドリブで遊ぼう」。
循環コードとは,特定のパターンだけで成立するコード進行のことなのだそうで,一つのコードを何回も繰り返すことができるのだそうです。
まずは,みんなで輪になって,一斉に循環コードのメロディを吹いた後,一人のお子さんがソロで演奏します。
ソロの演奏が終わると,またみんなで一斉に合わせて演奏。
その後は,今度は違うお子さんがソロ演奏。
全体 → ソロ → 全体 → ソロ → 全体 → ・・・というように演奏していきます。
一体感のある演奏の中で,一人一人のソロ演奏が光ります。
友だちのソロの時はじっくりと耳を傾け,その演奏を楽しんでいる子どもたち。
なんだか,とってもいい雰囲気。
全員がソロ演奏を終えると,自然と拍手が生まれました。 
やったね、みんな!
    

■ 全校VS活動の打合せ (記事更新11月28日)
11月27日,縦割班ごとに全校VS活動で何をするか話し合いました。
どんなVS活動をするのか,さらにはどんな手順で行うのか,また,必要な道具は何かに至るまで,班ごとに入念な打合せを行います。
青少年赤十字に加盟している多くの学校は,子どもたちが自ら「気付き」「考え」「行動する」という態度目標を達成するべく,VS活動を実施しています。
赤泊小学校では、子どもたちはどんなボランティアをすることにしたのでしょうか。
当日が楽しみです。
       

■ 5・6年 メディアに関する講演会 (記事更新11月28日)
11月24日,赤泊小学校と中学校の教員が組織している「赤泊地区小中連携委員会」の一事業として「学校保健委員会」を開催しました。
赤泊中学校に当校の5・6年生が行き,「メディア講演会 ~デジタルウェルビーイングしてる?~」に参加したのです。
講師は長岡市教育委員会インターネット利用アドバイザーである大久保真紀様でした。
お話を伺い,自分のこの一週間でのメディア使用時間から一年間の総使用時間を算出すると,その数値の大きさに「ええー!!」と驚く子,「あ,やっぱりー」と冷や汗たらたらで納得する子と様々ですが,子どもたちはメディア使用時間を自己管理する大切さを感じたようです。
「ダメだとは分かっていても,やっぱりだらだらとメディアを使っちゃいます。どうしたらいいでしょうか?」という質問には,「まずはきまりを作って,それに沿ってメディアを遠ざけるのも一計です」との講師様からのご回答。
そうですよねー。
メディアからなかなか離れられないというお子さんには保護者の方々の支援が重要になります。
学校でも指導しますが,お子さんがメディア依存にならないよう各ご家庭でもご支援ください。
  

■ 2年 畑の片づけ(記事更新11月24日)
11月22日、2年生は大きな学びを作ってくれた教材畑に感謝の気持ちを込めて、後片付け。
進んで働こうとする労働意欲の高いお子さんが多くいるなあと感じます。
枯れた野菜の茎やマルチシートが取り払われた畑は、静かに冬の到来を待っているかのようです。
季節は移り変わろうとしているのですね。
前庭の紅葉鮮やかなモミジとイチョウの写真も一緒にどうぞ。
(数日前は赤黒かったモミジは赤に、緑だったイチョウは黄色に、それぞれ美しく彩られるようになりました。)
   

■ 3・4年 対話の続き(記事更新11月24日)
11月21日、3・4年教室を覗くと、今まさにp4cが終わらんとするところでした。う~ん、残念。
どうやら11月10日の研究発表会で公開した道徳のp4cの続きをしていたようなのです。
ただ、黒板に残されていた子どもたちの発言を見てみると、かなり深い対話になったのではないかと推察されました。
前回の対話の後、子どもたちが「もっと対話を続けたい」といっていたクラスはここかしら?
自分の考えを人から聞いてもらえる体験、自分のことを分かってもらえているという実感は、その人をケアし、前に進む力を与えてくれるものだと思います。
p4cを続けると、このようにお互いをケアし合う関係が構築されていき、セーフティが確かなものになっていくのではないかとも思います。
対話を好む子どもたちが当校に多いのは、ともに考え合う喜びを彼らが感じていることに加えて、ケアされるという実感が背景にあるのではないでしょうか。
  

■ 5年 ハンドサインを考える(記事更新11月24日)
11月21日、5年教室を覗くと、丁度話し合いが終わったところでした。(最近、こんなのばっかりですね。)
友だちの発言に対する自分の考えを示すためのハンドサインを、子どもたちが自ら考えていたようです。
ハンドサインを出すためには、友だちの発言をまずはしっかりと聞き、自分の考えと比べて意思表示しなくてはなりません。
そしてそのシステムの構築にも子どもたちは参画しているのですね。
「子どもがつくる学び 子どもがつくる学校」に向かって、ますますがんばる5年生です。

■ 6年 羽茂小、小木の子どもたちと交流(記事更新11月24日)
11月20日、6年生は、羽茂小学校にて、羽茂小学校、小木小学校の6年生と体育の授業を通して交流をしてきました。
再来年から当校含め3校の6年生は、南佐渡中学校でともに学ぶことになります。
円滑な統合になるよう、その前の交流活動としての合同体育でした。
初めは緊張していた我らが赤泊小6年生ですが、次第に慣れていき、最後には和気あいあいと話したり、遊んだり、背比べしたりと、だんだんほぐれていったようです。
いずれ同級生になる子どもたちと、早く信頼関係を結べるよう願っています。
また、この日の指導者は南佐渡中学の体育の教師。
中学の授業の雰囲気も少し味わえた子どもたちでした。
        

■ 1年 たこ公園に秋を探しに行きました(記事更新11月24日)
秋は見つかったかな?
出発前、それぞれが思い思いの方向に向かって、がんばるゾー!ははははは。

■ 就学時健診(記事更新11月24日)
11月17日に来年度入学する子どもたちの就学時健診が行われました。
小学生になること、小学校で学ぶことを楽しみにしている子どもたちが多かったようです。
みんな、小学校での活動はどうだった?
君たちが入学してくることを、お兄さん、お姉さん、先生方はすごく楽しみにしているよ。
また、入学予定児童の保護者様からもお出でいただき、当校の教育活動についての説明や子育てについての講話などをお聞きいただきました。
来年度からもよろしくお願いいたします。
 

■ わかたけ 「裸の王様」でp4c(記事更新11月24日)
11月15日と16日の2日間に渡って、子どもたちはアンデルセン童話『裸の王様』でp4c。
問いははっきりとは決められず、子どもたちの感想発表から意見交換に、そして対話に発展していきました。
「王様は、本当は自分では服は見えていなかった。でも裸になって町を歩いた。恥ずかしくなかったのかな?」
「王様は自分は服を着ていると思い込んでいた?そう考える自信はあったの?」
自分の心に正直であろうとすると、人からは正直者とは見られないという、複雑に入り組んだ設定の物語。
その状況をある子どもの正直な一言が打破するのですね。
私は、対話を見ながら考えているうちに、頭の中がこんがらがっちゃいそうになっていました。
しかし、教師が子どもたちの発言を生かしながら、うまく対話を焦点化させたので、子どもたちは考えやすくなったのでしょう。
発言は途切れることなく、正直さや虚栄心と言った概念について深く考えようとする姿を生み出していました。
少人数でのp4cですが、子どもたちはしっかり考え、対話を楽しみました。
  

■ 3・4年中学校の先生から体育を教えてもらいました(記事更新11月24日)
赤泊小中学校の連携活動の一環として、11月14日に中学校の先生を指導者として招いて、3・4年生は体育の授業を行いました。
ハンドベースボール題材にして学んだ子どもたち。
中学校の先生からは「みんな上手だねえ」とボールさばきのうまさを褒められていました。
よかったね、みんな。
 

■ 赤い羽根共同募金(11月16日)
今年も総務委員の子どもたちが「赤い羽根共同募金」への協力を呼びかけてくれました。
朝児童玄関に立って呼びかけると,多くの子どもたちが募金をする姿が見られました。
総務委員の皆さん,どうもありがとう!
協力してくれた子どもたちもありがとう!
      

■ 研究発表会の感想・評価(記事更新11月15日)
先日の研究発表会で参観された方々からの感想がどんどん届いています。
いくつかご紹介します。
・p4cを取り入れて,子どもと職員が一緒に学校づくりをしているところが素敵だと思いました。
・子どもたちが立てた問いをそのまま授業の構想に生かしていた点,教師が語らない(道徳的価値を押し付けない)点などが参考になりました。また,温かい雰囲気,文化がある点が授業の底流にあったと思います。やはり何をするにも学級経営が大切だと改めて感じました。
・子どもを信頼している教師の姿に感激しました。子どもの語ったことにわざとらしく相づちを打ったり,「いいね」などの声がけをしたりしないところもまた素晴らしいと感じました。
・温かく主体的に学ぶ子どもたちに感動しました。きっとクラスで問題やトラブルが起きても,みんなで考えて行動し,自治的に乗り越えていくのだろうなと思います。(追伸)コミュニティ・ボールを投げるのがうまい!
・世の中のあらゆること(自然災害・難民・戦争・貧困等)において一人一人の本音を伝え合い,聞き合い,考えられることがp4cなんだと発見できました。
・p4cに継続的に取り組むことにより,子どもたちが自ら考え,言葉を紡いでいけるようになることや,友達の話を真剣に聴けるようになっていくことを実感しました。
・子どもたちの明るく堂々と共感的に対話する姿は,先生方の日頃のご指導の賜です。対話のモデルとなるような授業を見せていただき,ありがとうございました。
・赤泊の先生方が一丸となった2年間の取組のお陰で,様々なことを自分の経験と結びつけながら自分事として捉え語れる子が,以前以上に増えたと思います。対話の中で多様な考えに触れる場,伝え方そのものを考える場としてもp4cはとても有意義だと思いました。改めて子ども間での対話の大切さや可能性を実感しました。
・子どもたちが友だちの言葉を受け止めて,自分の経験と重ねながら深く考え,対話する姿に感動しました。対話の続きがしたいと全員が挙手していたのも,深く考えていた証だと思いました。日頃の授業,学級経営,学校づくりがあるから,今日の姿になるのだと感じました。
・子どもの思いや願いを第一に,全職員で教育に当たっているところが素晴らしいと思いました。
・p4cという対話を重視するだけでなく,子どもの思いから問いが生まれているということに素晴らしさを感じました。子どもを主体とする思想を,授業のみならず学校経営の中心に据えられている点と特筆すべきことだと思います。子どもを真ん中に据えた授業,学校経営が大変参考になりました。
・子どもたちが,自分の言葉で繋いでいく対話を直接見ることができました。本日の授業だけでなく,先生方が日常的に対話を大切にしておられるのだろうと感じました。また,対話の中で「敢えて待つ」沈黙の時間も大切にされているのだろうと推察いたします。これからも子どもたちと学びを深めていかれることと思います。勉強させていただき,ありがとうございました。
・これまで試行錯誤されながら真摯に取り組まれてきた教職員並びに同人(かつて赤泊小でp4cを実践していた教職員)の皆様に敬意を表します。子どもたちが下校する際に大きな声で挨拶してくれました。(略)学校はなんのためにあるのか,誰のためにあるのか,そういった本質を考えさせられる日となりました。
・道徳授業の可能性を広げる研究発表会であったと思います。教師が対話をファシリテートする場面,子どもが自らファシリテートする場面。この2つを癒合させていく方法hとても参考になりました。すべては子どものなりたい姿,学びを深めるためという御校の思想は素晴らしいと思います。
・佐渡の学校に,このような取組が広がったらいいなとの夢を持たせていただきました。赤泊小学校の「子どもがつくる学校」にさらに期待しています。

ありがたいことです。

【写真】研究発表会での子どもの様子とその後の参観者による協議会。子どもも大人も対話!
    
    

■ 大型絵本と大型紙芝居(11月14日)
この日読み聞かせボランティアの皆さんが、大型絵本と大型紙芝居で読み聞かせをしてくださいました。
いつもの絵本の何倍もの大きさの絵本、そしてこれまた驚くほど大きな紙芝居。
それぞれの物語の内容もおもしろく、約30分間、大いに楽しみ、物語の世界にどっぷりつかった子どもたちでした。
   

■ 3・4年道徳 p4cの問い出し、問い決め(11月14日)
3・4年生は道徳『ぼくはMVP』でp4cをするようです。
ただし,それは次の時間でのこと。
この時間は物語教材を読んで,問いを出し合い,その中から問いを決めるまでを行います。
物語のあらすじはこうです。
ドッチボールをしていた主人公。しかし,相手チームが投げたボールが主人公の体をかすります。本来ならばこれでアウトとなるはずだったのですが,どうやら誰も主人公にボールが当たったことに気付かないようです。ただし,主人公だけは当たったことに気付いています。主人公はそのままゲームを続け,結果的に主人公の活躍でチームは勝ちます。でも主人公は素直に喜べないのです。
さて,はじめは初めてこの物語を聞いての率直な感想を交流します。
「主人公は気が重いだろうなあ」
「自分は当たったって言い出せなかったんだものね」
「ぼくだったら,何と言われようが,当たったんだから自分から当たったって言って,外野に出るな」
「当たってすぐなら言えたのかもしれないね」
「時間が経っちゃうと,言い出せないことってある」
「他にも理由があったのかもしれないよ」
「正直に当たったって言って負けるのと,言わないままで知らんぷりして勝つのと,主人公はどっちが嬉しいんだろう?」などなど。
子どもたちはバンバンと発言しています。
先日の研究発表会を経て,ますます勢いに乗ってる3・4年生。
その後,一人ずつ自分が出した問いについて,どうしてそのような問いを出したのか順番に話していきました。
で,選ばれたのは次の問いです!
「本当のことを言って負けるか,嘘をついて勝つか。どっちの方が大事か?」
この道徳で扱う道徳的価値は「正直」です。
この問いをスタートにすると,「正直」という道徳的価値に迫れると子どもたちは考えたのでしょうね。
p4c全体を視野に入れているからこそのこの問い。
この課題設定の妙というのも,自分たちで対話をファシリテートする力が育っているとみていいのではないでしょうか。
お見事。
次の道徳の時間が楽しみです。
    

■ 3・4年体育 中学校の先生に教えてもらいました(11月14日)
もう一丁3・4年生。
赤泊中学校と連携した教育の一環として,この日中学校の体育の先生が当校の3・4年生にハンドベースボールの指導にお出でくださいました。
ボールさばきが上手くなるよう様々指導をしていただいた子どもたち。
その後は,実践形式でゲームを楽しみました。
「中学校の先生って,どんな人かな?」
「どんな勉強をするのかな?」
どきどきわくわくの3・4年生。
楽しかったでしょう。
みんな上手だって褒められていたね。よかったね。
  

■ 6年理科 シェイク シェイク!(11月14日)
私が例のごとく廊下をふらふらしていると,楽しげに歩いている6年生に出会いました。
「校長先生,私たちこれからおもしろいことするんですよ」とペットボトル片手に満面の笑み。
訊くと,どうやらこれから屋外で理科の実験をするようです。
学習の単元名は『大地のつくりと変化』。
ペットボトルに大小様々な砂や土を入れ,そこに水を加えてシェイク,シェイク!
「わあ,先生。まるでコーヒー牛乳とかカフェオレみたいになりました」と今にも飲んじゃいそうな勢いです。
さんざんシェイクしたペットボトルは,教室後ろのロッカーの上に静かに鎮座。
明日の朝までそのままにしておくのだそうです。
「どんなになってるのかなあ」結果は明朝のお楽しみです。
驚きと発見のある理科の授業。
楽しく学んでいる6年生です。
     

■ 5年社会 自然災害との付き合い方を考える(11月14日)
5年生は社会科で「自然災害との付き合い方を考える」と題し,話し合っていました。
昨年末の停電を想起しながら,様々なシチュエーションを想定し,どのようにしたら自然災害に対応できるか,子どもたちは一生懸命考えます。
荒唐無稽な案は自然と淘汰されていき,現実的な方法となるよう徐々に焦点化されていきました。
コミュニケーション・ボールこそ使っていませんが,これもやっぱりp4cだと言っていいのだと思います。
ワンダーとセーフティに溢れた話し合い。
5年生にとっては、もはやお手のものですね。
こちらもお見事。
      

■ 校内読書旬間(11月13日)
現在図書委員会が提案した校内読書旬間の真っ最中です。
11月10日の児童朝会では図書委員の子たちが,読書旬間で企画している活動を紹介しました。
さらに,試しに活動のうちの一つを全校でやってみました。
全校の子どもたちは,とっても楽しそうに活動していました。
   

さて,11月13日の昼休みには体育館でスタンプラリーを楽しみました!
ミッションをクリアするとスタンプをもらえるというルールです。
スタンプラリー第2弾となる今回はバスケットボールのボールさばき!
低学年と高学年,それぞれに設定された数,お腹の周りをバスケットボールを回したり,両手交互にドリブルしたり。
実は、上手にできるコツは図書室にある,バスケットボールの本に書かれていたのです。
楽しみながら,本に親しんでもらいたいという図書委員の子どもたちの願いが表れた活動となっていました。
           

■ 3・4年 何で人を感動させる合唱だったのか (11月13日)
先日,赤泊小のあるお子さんのご家族から声を掛けていただきました。
「校長先生!この前の市小学校音楽発表会での赤泊小の合唱!素晴らしかったです!
 決して人数は多くないのだけれど,あの声の大きさ,そして表情豊かに歌う姿に,私感動しました。
 さらにその前の文化祭学習発表会。赤泊小の文化祭はいつもいいのだけれど,今年の文化祭は取り分けよかったです。
 1年生の開会の挨拶から素晴らしかった。それから5・6年生の鬼太鼓とマツケンサンバに至るまで,とっても素晴らしかったです。
 なんというか,一体感があるというか,とにかく素晴らしかったです。
 私の周りにいた人も,みんなそう言ってました!」
私が子どもたちと一緒に踊っていたマツケンサンバもよかったそう。ははははは。
ありがたいことです。

さて,主演の子どもたちはそんな自分たちをどう思っているのでしょうか。
この日,3・4年生は市の音楽発表会について話し合っていました。
「音楽発表会の練習と本番を通じて,どんなことができるようになったのか」
「どんなことを学んだのか」
「今後に生かせることは何か」
など,子どもたちは思いを語り合っていました。
「ぼくたちの発表を聞いていた人たちから褒められて嬉しかったなあ」
「想像以上に大きな拍手をもらえて,驚いたと同時にやっぱり嬉しかったな」
「校長先生の他にも泣きながら拍手してくれていた人が何人もいたよね」
「初めてホールで歌うから,とても緊張したけれど,うまく歌えてよかった」
担任も語ります。
「実は○○さんがお母さんに言っていたことなんだそうだけれど,『ぼくはピアノの演奏をしているときに,みんなの歌声に助けられた』って。歌を歌う上では,○○さんのピアノにずいぶん助けられたよね。あのピアノがなければ最後まで歌いきることはできなかったってみんな思っていたと思う。でもピアノの○○さんにとっては歌声が彼を助けていたんだね」
この話,子どもたちの胸の奥にしっかりと届いたんじゃないでしょうか。
この後,子どもたちは作文を書きました。
「何で人を感動させる合唱だったのか」
そんなことなどを,いつもよりもたくさんの紙面を費やして,子どもたちは書いていました。
自分を見つめ,自分たちを見つめたこの時間となりました。
そして,子どもたちの思いが、学びがたくさん詰まった合唱練習,合唱発表となりました。
         

■ 佐渡p4cおけさ2023 (記事更新11月13日)
11月11日。佐渡島総合開発センターにて,「佐渡p4cおけさ2023」が開催されました。
副題「国境を越えて対話的学びを語り合う」からもご想像がつくように,ハワイのワイキキからも大人や中学生が参加。
我らが赤泊小学校の子どもたちも参加し,オープニングセレモニーとして鬼太鼓を披露しました。
さらに,子どもたちが自分たちが行っているp4cについて発表をしたのです。
プレゼンテーション用ソフトを使って,分かりやすく説明。
会場から,驚きと賞賛のどよめきと拍手が起こったのは,子どもたち一人一人が「自分にとってp4cとは何か」を話したとき。
彼らにとってp4cってどんなものなのでしょうか。
・大切な存在
・自分の居場所
・第2の話し相手(第1はクラス,第2はp4c)
・成長できる場所
・自分の意見がはっきりと言える
・みんなで考えを深める場所
・相手のことがよく分かる
・世界共通の対話の方法
自分にとってのp4cをこれほど明確に自覚できているなんて、すごい!

■ 研究発表会 感動の対話 (記事更新11月13日)
文部科学省「道徳教育の抜本的改善・充実に係る支援事業」に認定され、県教育委員会から研究および実践を委託されている赤泊小学校。
県内小学校で1校のみ認定されるところ、当校のp4cの実践が評価され、白羽の矢が当たったのです。
今年度は、昨年度までも指導していただいていた新潟大学の豊田光世先生に加え、東京大学の一柳智紀先生からもご指導いただきながら研究実践を重ねてまいりました。
そして11月10日、当校の教師たちが研究を進めている途中経過を、研究発表という形でご覧いただきました。
岐阜大学の田中伸先生をはじめ、多くの県内外の教員はもちろんのこと、羽茂の本屋「ニカラ」さん、ドーナツ屋さん「タガヤス堂」さんなど教員以外の方々からもご参観いただきました。
当日p4cの授業を公開したのは、なんと1年生から6年生までの学級全て!
このような研究発表会では一部の学級のみを公開するパターンが多い中で、全学級公開とは・・・。当校の教師集団のやる気と志の高さを感じます。やるなー!
さて、全学級の素晴らしい対話の様子をリポートしたいところですが、私一つの学級のみにはりついて参観することができなかったので、授業の主な学習内容と写真のみご紹介でお許しください。
授業後、大学の先生方からは子どもたちのp4cに大絶賛の雨嵐!暴風雨!ハリケーン!!ええと、後は・・・、サイクロンとか?
子どもたちの学びに向かう姿と対話の中で深く考える姿、思考の深まりを高く評価していただき、私たちの教育実践の方向は間違っていないと確信いたしました。
参加者の皆様からもありがたいお言葉を頂戴し、私たちの背中を強く押していただいた気がします。
閉会式では、豊田先生からは「赤泊小のp4cでは子どもの主体性、対話の多様性、そして哲学的な思考が促されている。そしてそのベースには子ども同士のセーフティ(信頼関係)がある。今日は多様な対話が見られたが、それは学び合う雰囲気が可能にするものだ。ファシリテーションすら子どもに委ねるなど子ども主体の対話がなされている。赤泊小学校から新しい道徳教育の形が提案された」とのお話がありました。
また、一柳先生は、子どもたちの対話を緻密に分析され、私たちにお示しくださった上で、「このような学びを重ねている赤泊小学校の子どもたちが世界に羽ばたくことを期待している」というお言葉をいただきました。
涙がちょちょ切れちゃいますねー。私閉会式でホントに泣いたのです、前日の音楽発表会に引き続き。
ありがたいことです。
参観者からの評価などは後日紹介する機会があればと思います。
一つだけ。ある校長先生から私に直接届いたメールから。

本日はありがとうございました。素晴らしい研究会でした。
(中略)何より学校運営に子どもを中心に据えられていたのが強烈に印象に残りました。
p4cに目が行きがちでしたが、根本には「赤泊小は子どもど真ん中の学校経営しています。どうですか、皆さん!」と主張されていると私は直感的に感じました。
子どもたちの生き生きとした姿が全てを物語っていると思います。
実際に参観させていただくことができて本当によかったです
(後略)

子どもたちのp4cに万歳!
子どもがつくる学び、子どもがつくる学校に万歳!

【各学級の公開授業内容】
1年 『ぼくは いかない』 主題名「ただしいことは、じぶんから」 問い「どうして、しんちゃんは『ぼくは友だちだよ。それに弱虫じゃない』って言えたのか?」(善悪の判断、自律、自由と責任)
2年 『小さなできごと』 主題名「れいぎただしくするって、どういうこと?」 問い「私がごめんなさいと言えたのはなぜ?」(礼儀)
3・4年 『雨のていりゅう所で』 主題名「ルールやマナーは何のため?」 問い「なぜお母さんは不機嫌なのか?」(規則の尊重)
5年 『自然災害とともに生きる』*社会科授業 問い「災害が起きたとき、自分は人を助けるか、助けないか?」
6年 『負けないで』 主題名「一人一人のかがやく命」 問い「こういう話を聞くと、泣きたくなるのはなぜ?」(生命の尊さ)
     

■ 市小学校音楽祭 感動の歌声 (記事更新11月13日)
11月9日。とにかく感動でしたのよ、うちの合唱は!とにかく感動!
私は音合わせの段階からうるうるしていて、合唱が始まると大号泣。(あー、やっぱり~。)
アミューズメント佐渡の大ホールが感動で溢れました!
歌い終わった後、盛大な拍手を受ける子どもたちの誇らしげな顔、少しほっとしたような顔。
引率していた4人の教員も、子どもたちに惜しみない拍手を贈りました!
さらに、他校の保護者様や赤泊地域の方々など、ご覧になっていたお客様から大絶賛のお言葉をたくさん頂戴しました。
皆さん、口をそろえておっしゃるのは「赤泊小の発表めちゃくちゃすごかった!よかった!感動した!」です。
ある教師が呼び止められ、「本当に感動したから、赤泊小の先生方に伝えてほしい」とお褒めの言葉を言ってくださる方も。
とても嬉しかったので、いくつかご紹介します。
「赤泊小の子どもたちの声は会場中に大きく響き渡っていた」
「歌声もさることながら、手話を含めた表情もまた素晴らしかった」
「見ているだけでいい学校だと分かる。うらやましい」
「それぞれ離れて座っていた先生方が、子どもたちがステージに上がった後は一か所に集まって見ていて、仲のよさを感じた」
「先生方によるスタンディングオベーションがまたよかった」
「でも、校長のスタンディングオベーションは、早すぎ!」
 とほほ、すみません。だって、あまりにも素晴らしくて、自分を抑えることができなかったんだもの。
「歌い終わった子どもたちを、先生方が笑顔と拍手で迎える感じが微笑ましかった」
「若い女の先生(音楽主任のことです)、よくあそこまで歌を仕上げたと感心する」
「指導力とやる気のある先生がたくさんいて、赤泊小最高だね!」

どうやら私の大号泣も反響があったそうですが、言われた教師は「それは大々想定内‼‼」と返したそうです、ははははは。
「歌声のきれいな学校は、すてきな学校」が私の持論です。
すてきな子どもたちに改めて拍手を贈ります。
子どもたちよ、感動をありがとう!
*写真は発表会前の気合の入った面々です。

■ 合唱全体練習 ラスト! (11月8日)
市小学校音楽発表会の前日。
体育館では最後の全体練習が行われました。
これがまた,素晴らしかったのです。
今シーズン最高の出来映えじゃないかしら。
先日の学習発表会を超える歌声で,体育館を感動で満たしました。
あれからまた、ブラッシュアップしてきたものねえ。
歌声最高!ピアノ最高!手話最高!
子どもたちの豊かな歌声を引き出す,音楽主任の華麗な指揮も最高!(右足なんて宙に浮いちゃってますもんね。)
私なんかホント号泣で,子どもたちの一挙手一投足に感動してましたもの。
ステージに上がる前に静々と歩く姿が凜々しく,それだけでも涙が出そうになりました。というか出てました!
音楽主任が子どもたちに語りかけます。
「皆さんにとって大切なものってなんですか?家族?友だち?この『♪大切なもの』には「空に光る星を 君と数えた夜」というフレーズがあるよね。「一人きりじゃないこと 君が教えてくれた 大切なものを」というフレーズもある。ぜひ自分にとって大切な人を思い浮かべて歌ってほしい。そうすれば歌う技術以上のものを表現できると思います」
テクニカルな指導はほんのわずか。
子どもと教師は翌日に控えた発表会に向け,気持ちを高めていました。
2学期に入ってからずっと続いていた合唱練習は,明日で千秋楽。
最高の歌声を聞かせてくれるものと思います。
あー,号泣の季節ももうおしまいになるのね。寂しい。
   

■ Birthday live! (11月8日)
昼休みに5年生有志主催でバースデーライブが開催されました。
主催者の子どもたちに、担任は「先生,バースデーライブって,誕生日の人が歌うんですか?それともお客さんとか祝う人たちが歌うんですか?」と訊かれたのだそうです。
担任は「そうねえ,どっちでもいいんじゃない?祝われる人も祝う人もみんなが楽しめれば」と回答したとか。
当日は5年生のみならず、様々な学年から誕生日を祝いたい子が集まりました。
で,当日は,祝う人が入れ替わり立ち替わりの,歌あり,踊りありで大爆笑の大盛り上がり!
さらに誕生日を迎えた子にも歌ってもらおうとしますが,恥ずかしいのかなかなか歌い出そうとしません。
そこで司会の子が「じゃあみんなで歌おう!」と呼びかけ,全員で大合唱!
誕生日の子ものってきたのか,最後はソロで歌っちゃってました。
で、歌い終わると割れんばかりの大拍手!
そんなこんなで何人もの子が芸を披露!
友だちの誕生日を祝うという初期の目的はどこへやら,あたかも「スター隠し芸大会」の様相を呈してきました。
かく言う私も一発歌っちゃうんだな,これが(結構盛り上がりました)。
そして,誕生日会の最終盤には重大発表!
なんと「さくらポンポンズ」がこの度改名するとのこと。
新グループ名は「赤小パワフルズ」。
赤泊小学校をもっとパワフルに盛り上げたいという願いが込められているのだそうです。
休み時間に,こんな自主的・自律的活動を楽しみながらやっちゃう子どもたちのバイタリティの豊かさに脱帽です。
      

■ 5・6年 地球教室(出張授業) (11月7日)
この日5・6年生は環境教育プログラム「地球教室 出張授業」を受けました。
南極観測員のご経験のある方から,南極の様子をうかがうと,「えー!」「おー!」「わー!」「ええっ!」「うわっ!」「かわいいー!」「え!?」「う~ん・・・」といった子どもたちの声が教室内で飛び交うほどに驚きと発見が満載!
さらにその後は,SDGsの視点から,アルミニウムのリサイクル率など,地球環境が持続するために大切なことを様々な実験を通して学ぶことができました。
アルミと炭で作った電池で豆電球が点灯すると,「やったー!」という声も。
楽しく感動的で,将来に向けてとても大切な時間となりました。
ご指導くださった皆様,この授業実現のためにご尽力くださった皆様に感謝申し上げます。
          

■ 4年算数 見えないものを見る力 (11月7日)
4年生の担任は子ども同士の関わりを重要視して,対話しながらスモールステップで丁寧に教えている姿がよく見られます。
さて,この時間,4年生は算数で,計算のきまりを使いながら工夫して課題解決を図っていました。
課題の一つ目は,写真1枚目のように並べられたおはじきの数を工夫して求める問題です。
教科書には2とおりの式が書かれています。
1つ目の式は,「2×3+3×5」。
おはじき全体を2つに分けてそれぞれをかけ算で求めて合わせるやり方です。
どうしてこのように立式できるのかと担任が問います。
すると,子どもたちは難なくクリア。
問題となったのは、2つ目の式「5×5-2×2」です。
これは欠けている部分を頭の中で補って全体を求めた後に、欠けている部分を引くやり方です。
子どもたちは,「え?5×5ってどこのことを言っているんだろう?2×2という並べ方のおはじきはどこにもないよ」と困惑気味。
そこで担任がおはじきの図の欠けた部分に赤で□を書き込みました。
「う~ん」とディスプレイを見つめながら考え込む子どもたち。
やがて,「あ,分かった!」と目を輝かせる子が出始めました。
分かった子どもたちは,まだピンとこない子どもたちのところに行って,何やら話をするようになりました。
話を聞いていた子どもたちは,うんうんとうなずき,今度は自分が別の子のところに行って教え始めました。
担任が書き込んだ□の中にはおはじきは描かれていないのですが,解き方が分かると,その中には2×2のおはじきが確かに見えたことでしょう。
さらに欠けた部分におはじきが見えると,図全体が5×5になっていることも分かった子どもたち。
算数を学んでいくうちに,子どもたちは図形に補助線を引いたりして解法を見出す術を会得していきます。
この時間のおはじきの問題も,補助線と同じように,言わば見えないものを見る力を養うものです。
そして、算数に限らず見えないものを見る力って大切なのですよね。
「見ようとしないと見えないもの」を見る力を、子どもたちには獲得してほしいと思います。
       

■ 2年図工 『つないで つるして』(11月7日)
2年生は2階多目的室で何やら活動していましたよ。
どうやら,図工『つないで つるして』の学習で,新聞を切ったりつなげたりしながら,家?シェルター?蜘蛛の巣?をつくっているようです。
とっても楽しそう。
2年生はみんなで協力しながら活動していました。
活動しながら,「もっとこうしてみたい」「○○さんのとつなげたらおもしろくなるかな」など子どもたちは発想豊かに切った新聞紙をつなげていきました。
こういう全身を使ったダイナミックな活動って,子どもたちの発想と協働性を刺激するのでしょうね。
どんな造形物ができあがるのか楽しみです。
あ,そういえば,この前の時間には2年生は1年生に招待状を送るための話し合いをしていましたね。
おっとっと。これは機密事項だったのかしら。うふふ。
乞うご期待ですね。
    

■ 1年道徳 p4c (11月6日)
1年教室を覗くとまさにp4cが終わらんとするところでした。
ざんねーん!
教材はお年寄りに喜んでもらうために主人公はイベントを企画するのですが、友だちのみきさんから「お年寄りからも何か話してもらうようにした方がお年寄りも喜ぶんじゃない?」と問いかけられるという物語です。
問いは「みきさんは、どうしてお年寄りの話を聞きたかったの?」です。
対話の様子をご紹介することはできないのです。写真のみご覧ください。

            

■ 遠足が中止になっても (11月2日)
なんだか、とっても楽しそうな子どもたちです。
                      

レクリェーションを企画運営してくれた6年生のみんな、どうもありがとう!

養護教諭による掲示物の作成の様子もご覧ください。
今月のテーマは「正しい姿勢」です。
 

■ 6年 ブランコ乗りとピエロ (記事更新11月2日)
10月31日。6年生は道徳でp4c。
テーマは「広い心で」です。
教材とする物語は『ブランコ乗りとピエロ』、有名教材です。

あらすじは以下のとおり。
サーカス団の古株であるピエロはスターであり、サーカス団のリーダーでもあります。
半年ほど前に他のサーカス団から招かれたブランコ乗りのサムは、加入当初からスター気取りで、ピエロの言うことは聞こうとしません。
公演では目立とうとし、いつも自分の出番を予定より長くしてしまいます。
さて、そんなとき大王が1時間だけ見物に来ることになりました。
限られた演目の中で、サムは自分が割り当てられた時間を大幅に延ばして、観客を盛り上げます。
しかし、そのせいで時間が無くなり、ピエロは大王の前で演技ができなくなります。
控室では、サムに対する怒りとピエロへの同情で、団員は固く口を閉ざしています。
サムは机を叩いて立ち上がり、「サーカスは成功したじゃないか。自分はこのサーカスのために夢中になって演技をした。それのどこが悪いんだ」と言い放ち、自分を批判するだろうと立ち上がったピエロをにらみます。
そのとき、ピエロは静かに「私も目立ちたかった。最初はサムをプランコから引きずり下ろしたいほど悔しかった。でも、演技を終えたばかりのサムが青ざめた顔をして疲れ果てている姿を見ると、サムを憎む気持ちが消えてしまった。力いっぱいがんばっているからこそ観客の胸を打つ。これからはサムをお手本にして努力していくつもりだ。でも、サム、サーカス団のために、自分だけがリーダーだという気持ちは捨てなくてはならないと思うんだ」と話します。
その後、二人は和解し、共演して、観客から大きな拍手をもらうようになりました。
 

問いは「ピエロがサムをブランコから引きずり下ろさなかったのはなぜか?」です。
対話の前にはサムは許せないと強く考える子が何人もいたのですが、この後の対話によって考え方が徐々に変容していきました。
子ども同士の対話によって、子どもたちは新しい道徳的価値を獲得したのです。
では、子どもたちが自分の経験を踏まえて話す言葉の中に、様々な道徳的価値が含まれていた、素晴らしい対話をご覧ください。

(子)「ピエロはサムの努力が分かったから」
(子)「サムを急に引きずりおろしたら、観客が驚くから。ケガさせちゃうかもしれないし」
(子)「みんなは観客がいなかったら、ピエロはサムを引きずり下ろしていたと思う?」
(子)「ピエロは怒っていた。観客がいなければ引きずり下ろしていたと思う」
(教師)「みんなに訊きたいんだけれど、自分がピエロだったら引きずり下ろす?」
  ・引きずり下ろす   4人
  ・引きずり下ろさない  4人
(子)「私なら引きずり下ろす。ピエロは怒っている!サムは許されない!ピエロはむかついている!」
(子)「私も引きずり下ろす。一回くらい引きずり下ろさないと、同じことの繰り返しになる」
(子)「サムは一人だけでがんばっている。サーカスはみんなでやっていということを気付かせるためにも、引きずり下ろす」
(子)「自分も引きずり下ろすと思う」
(子)「みんなでやっているってことは、他の人の演技も観てもらうべきだと思うんだ」
(子)「ぼくは引きずり下ろさない。サムにはサムの考えがあるんだと思う。公演が終わってから、サムに訊けばいい」
(子)「自分も引きずり下ろさない。確かにサムは生意気。でもサムは努力している。サムに対する信頼がどこかにある」
(子)「自分も引きずり下ろさない。ケガさせちゃうかもしれないから。そうなったらサーカス団のためにもならない」
(子)「逆に、みんなは自分がサムだったら、ピエロに対してどう思う?もし引きずり下ろされたら」
(教師)「私がサムだったら、『分かってくれよ』って思う。他の出演者の出番を奪ったのはよくないけれど、それよりも観客を喜ばせたいって気持ち。俺だってがんばっているんだ」
(子)「自分のがんばりは分かってもらいたいよね」
(子)「自分が引きずり下ろされたら、今まで努力してきたことが水の泡になっちゃう。なんで引きずり下ろすんだってむかつく!・・・でも・・・(迷っている)・・・、サムがサーカスを盛り上げようとしていたのだとしたなら・・・。サムはただのいら立つ相手から、ちょっといい人かなって」
(教師)昨日、テレビでイスラエルについて放送していた。日本人の記者が現地の方に「なぜ攻撃を止めないのか」と訊くと、「私たちは正しいからやっている。あなたたちは間違っている。対話?対話の必要なんてない」って言ってた。〇〇さん、なんでサムに対する見方が変わったの?」
(子)「さっき、〇〇さんが『サムは一人でがんばらなくていい』って話すのを聞いて・・・。ピエロの優しさに気付いた」
(教師)「分かり合うことって難しい。自分の考えが正しいって思いこんでいると、時につらくて苦しいこともある。前の時間に〇〇さんが出した問いは『ピエロのやったことは正しいの?』について、考えを聞きたい」
(子)「ピエロはサムの気持ちに気付いた。サムも自分が目立てばいいってだけじゃないってことに気付いた」
   

さあ、授業終了までラスト10分!
(教師)「相手のことを分かろうとする上で大切なことって何だろう?」
(子)「ピエロはサムに対して怒っていたけれど、最後には言いたいことをすぐに言わず、いらだつ様子も見せず、優しい口調になっていった・・・。う~ん、そうだなあ、『今の自分に気付くこと』が大切だと思う。今の自分っていうのは、自分の感情。これまでどういう気持ちを相手に対してもっていたかをふり返るってことかな」
(子)「第一印象にとらわれ過ぎないのが大切だと思う。最初抱いた思いに流されない」
(教師)「感情に流されちゃうことって、生きていく中でこれからもあると思う。でもそればかりじゃいけない。大切なんだけれど難しいこと。今まで、見方や考え方が変わった経験ってある?」
(子)「ぼくは、このp4c。サムに対する気持ちが変わった。ピエロはサムを憎んでいたけれど、がむしゃらにがんばるサムの姿を見て、優しさを伝えたいって思うようになった」
(子)「サムのピエロに対する考えも変わったよね」
(子)「サムは自己中心的。ピエロはそんなサムに怒っていた。でも、サムもみんなのことを考えていたんだよね。ピエロはいい人だなあって思う」
(教師)「人への見方・考え方を変えるとか、よさに気付くって簡単じゃない。でも、みんなにはこれからも続けてほしい」
  

子どもたちは、自分の経験を言葉にのせて、思いを素直に表出し、参観者が多数いる中でも自己開示していました。
なぜこのようなことが可能になったのでしょうか。
私は子どもたちが互いに寄せる信頼感、そしてこの場に充満していたセーフティ(心理的安全性)、さらには高い思考力があったからこそだったと思うのです。
これは一朝一夕でできるものではありません。
これまで子ども同士で苦楽を共にし、喜び合い、苦しみ合いしてたどり着いた今だからこその境地なのでしょう。
その子どもたちの学びをサポートした担任の思いと力のなせる業でもあります。
この教材はある意味子どもたちの姿が投影されたものであったのかもしれません。
だからこそ、子どもたちは自分を見つめ、一生懸命考え、子ども同士の言葉から深く学んだのだと思います。
p4cの最終盤で、このp4cこそが見方・考え方が変わった体験になったとする子どもの言葉が印象的でした。
世の中では分断され、様々な苦しみが至る所で見られます。
容易に解決できるものではありません。
しかし、最後に担任が言っていたように、粘り強く理想に向けて努力していくことが大切になるのだと思います。
この授業を参観して、明るい社会の実現は、この子たちならって思えるp4cでした。
お見事!